バイトで働いていると「コレってどうなの?」という場面に度々出くわします。希望した日に休みを入れられないし、ミスをしたらすごく怒られる、と悩んでいませんか。
被害を受けてしまわないよう、ブラックバイトの見分け方を知って、対策を打つのが大切です。
今回はブラックバイトのよくある特徴や例について、紹介します。
ブラックバイトとは
ブラックバイトとは、違法な労働問題が日常化しているバイトのことです。ブラック企業という言葉が流行したとき、そこで被害を負ったのが正社員でした。
しかし、その後、ブラック企業の搾取先はバイトへと矛先を変えるのです。ブラックバイトの根本はブラック企業と変わりません。
甘い言葉をエサに採用し、残業代を支払わず、安価な人件費でこき使い、心身に不調をきたすと退職を推奨したり、解雇して辞めさせるという流れです。
バイトで働く人の多くが学生です。大学生や高校生はバイト以外の活動を他に持っていますが、社会経験が少ないため、店長や上司に言いづらいことも。
ブラックバイトでは、このことが悪用されているのが特徴です。
バイトでよくある事例集
- Q.バイト中にお皿を割ってしまった
- バイト中、お客様の食器を下げようとしたところ、お皿を落として割ってしまいました。しかも、お客様の服にソースの跳ね返りが・・・
店長からは「お皿の代金とお客様へのクリーニング代はお店で弁償する」といってくれたのですが、私が弁償すべきでしょうか? - A.お店に払ってもらってOK
- 従業員のミスは基本的に使用者が責任を負いますので、気にしなくて問題ありません。これは「雇用主は労働者によって利益を得ているのだから、損害もある程度負担すべき」という考えに基づいてのことです。
ただし、わざと被害を発生させた場合、従業員が全額負担しなければなりません。また、同じようなミスを何度も繰り返したり、重大な不注意で損害を起こしたりした場合は、一定の範囲で損害賠償を請求される可能性もありますので、注意しましょう。 - Q.ノルマを達成できず残業
- お店でお菓子を売っています。夕方6時までの契約ですが、販売ノルマをクリアしないと帰れないので、いつも1~2時間の残業に。
ノルマを達成しない場合、買取を義務付けるという決まりもあります。コレってどうなんでしょうか。 - A.定時で帰るか、残業代を請求しよう
- 日本の法律上の考え方では、「時間を売るのが労働者」となっています。そのため、ノルマを達成できなくても契約した時間に帰ってもよいのです。
ノルマを達成するために残業した場合、残業代を請求できます。残業しているのにもかかわらず、残業代をもらっていないというなら、上司へ相談しましょう。
残業代は1分単位で残業申請をする必要があり、原則として1分でも残業すれば残業代はもらえます。さらに、法定労働時間の8時間を超えた場合、原則として25%以上の割増賃金となります。
また、一定のノルマを課して、それに達していないからと買取を義務付ける場合、労働者の経済生活を脅かすことになり、自由意志の購入ではないことから、合理性を欠くため無効です。
ノルマを達成できないからと自腹で購入する必要はありません。 - Q.残業代がもらえない
- 定時で上がれたことがなく、いつも30分~1時間残業しています。店長に話したら「みんなそう」と取り合ってくれません。残業代はもらえないのでしょうか。バイト先にタイムカードはなく、出勤票だけです。
- A.もちろん残業代は請求できる
- バイトであっても残業をした場合、残業代を請求できます。店長が取り合ってくれないならその上司に相談してみてはどうでしょうか。
その時には、どのくらい残業したのか証明するため、手帳などに出勤時間と退勤時間をメモしておきましょう。また、自分だけではなく家族や友人に出勤時と退勤時にメールを送っておくと、証明として残るので話しやすくなります。 - Q.ずっと研修期間
- 1カ月の研修期間が終わったら時給を上げるといわれて始めたバイト。研修期間が3カ月に延長された挙句、終わりに近づいたら「仕事ができないから、ずっと研修期間の時給」といわれました。
書面はなく、口約束で始めたバイトなので、諦めるしかないのでしょうか。 - A.口約束でも契約は契約
- 法律上は、口約束でも書面と同様の拘束力があります。上司が取り合ってくれないなら、その上の上司に相談してみるべきでしょう。
労働条件は書面で交わしたほうが確実ですが、口約束だけというのも多いので、その場でメモを取るなどしておくように。メモには日付も入れておきます。 - Q.試験前でも休めない
- 週に3回ということで始めたバイトなのに、忙しいからと電話がきて、ほぼ毎日出勤。試験前も休めず学業に支障をきたしています。
- A.出勤を拒否しても大丈夫
- Q.勤務中、休憩時間があったり、なかったりする
- 勤務中、忙しさによって休憩時間がない場合があります。バイトでも休憩時間はあると思いますが、どのくらいの時間もらえるのでしょうか。
- A.労働基準法では、労働者を6時間以上働かせる場合、少なくても45分。8時間を超える場合、少なくても1時間の休憩時間を与えなければなりません。
- 休憩は1度にまとめてとらないといけないわけではなく、8時間の間に30分の休憩が2回というように分割もできます。覚えておくといいでしょう。
- Q.バイト中にケガをしてしまいました
- バイト中にケガをしてしまいましたが、店長からは健康保険を使って自腹で治療するようにいわれました。
- A.バイトでも仕事中のけがは労災保険が使えます
- 仕事が原因でけがや病気になった場合、労災保険が使えます。労災保険は正社員、バイトなどの雇用形態は関係なく、1日でも働けば補償の対象となります。
病院の窓口で労災保険を使うことを申し出てください。労災保険に申請して、労災と認められれば、治療費は基本的に無料となります。
また、仕事や通勤が原因のけがで仕事を休み、バイト代がもらえない場合、一定額のお金がもらえる制度もあります。
会社が労災保険に加入していない場合や請求に協力的でない場合でも、労災請求はできますので、最寄りの労働基準監督署に相談してみてください。 - Q.店長がやたら体を触ってくる
- 店長が話をかけてくる際、肩を触ってきますが、これはセクハラでしょうか?
- A.まずは意思表示を
- 肩を触られて不快に感じるならセクハラに該当する可能性があります。セクハラとは性的な冗談をいわれたり、不必要に体に触られたりするなど、自分が望まない性的な行動や言動が行われ、拒否したことで不利益を受けることをいいます。
ただし、人によってコミュニケーションの一つとして行っている場合があるので、触られて嫌ならば意思をハッキリ伝えましょう。相手に悪気がない場合、注意することで改まる場合があります。
しかし、言いづらかったり、言っても収まらなかったりした場合、その上の上司に相談しましょう。法律には事業主は職場でセクハラが起きないようにする義務があります。会社によってはセクハラの相談窓口を設けているので、そういった部署に相談を持ちかけてください。
セクハラは男性から女性にするものだけではなく、女性から男性に対するもの、同性に対するものも該当します。我慢は体にも心にもよくありません。ためこんではいけませんよ。 - Q.自分にだけ激しく当たってくる
- 仕事はそつなくできていると思いますが、バイト先の先輩が私にだけとても厳しいです。この前、同じミスをした同僚に比べ、キツイ怒られ方をされました。これってパワハラでしょうか?
- A.意思表示をして、相談窓口へ相談を
- パワハラは、同じ職場で働く人に対して、地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・肉体的苦痛を与えたり、職場環境を悪化させる行為を言います。
なお、パワハラは仕事上で必要とする教育・訓練・指導との線引きが難しく、上司の指導が不愉快であっても、適切な範囲であればパワハラにはあたりません。
パワハラと感じた場合、そこまでに至る状況や相手の言動を記録しておき、会社の相談窓口や都道府県労働局にある相談機関にできるだけ早く相談するようにしてください。 - Q.バイトを辞められません
- 学業が忙しくなってきたので、バイトを辞めると店長にいいましたが「変わりがいないので、次がくるまで頼む」といわれてしまいました。
- A.労働者には退職の自由がある
- 本来、労働者には退職の自由があります。バイトの人数をぎりぎりに抑え、人件費を節約していると、会社は全力で拒否するでしょう。
世話になったバイト先は、できれば円満に辞めたいですよね。辞めるのを拒否された場合、続けられる最長期間を提案してみましょう。
双方が納得できれば、バイトを辞める時期のめどが立って気持ちも軽くなるはずです。次のステップアップへの準備も進めやすくなりますね。
それでも、許可が下りない場合、不安や不信を抱いてしまいます。そのような場合、各都道府県にある労働局の専用窓口に相談してみましょう。無料で相談できる窓口があるため、学生でも安心して利用できます。
また、どうしても辞めさせてくれないからと、無断でバックレると損害賠償を請求される恐れがあるので、正式な手順を踏みましょう。
正式な手順とは会社に退職の意思を伝え、退職願を提出します。退職願は郵送でも構いません。契約期間のない定めの場合、民法上では辞意を伝えてから2週間経てば辞められるとされています。
退職願を郵送する場合、普通郵便ではなく、内容証明郵便に配達証明をつけましょう。退職したい旨を申し出た証拠になります。
条件と違う仕事を要求された場合、労働者側は拒否する権利があります。バイトも同じことです。責任感の強い人ほど無理しがちですが、学業やプライベートに支障があるなら断ることも必要でしょう。